特選コラム


素材ヒストリア オリーブ編

 もくせい舎の石けんづくりに欠かせないのが、オリーブ油です。
 ジャレド・ダイアモンドの著書『銃・病原菌・鉄』によると、肥沃な三日月地帯と呼ばれるチグリス・ユーフラテス川流域からエジプトにかけての地域で小麦・大麦など主要作物が紀元前8000年ごろに栽培化されたのに次いで、紀元前4000年ごろ、地中海沿岸で最初にオリーブの栽培が始まったことがわかっています。いち早く有用植物の栽培に成功したことで、この地域で古代メソポタミア文明が花開いたと考えられています。



 オリーブの実は油分が豊富で、搾油も容易であることから食用、灯火用として使われてきました。それだけでなく、古くから化粧品としても用いられてきました。聖書にもしばしば、顔や体に油を塗る行為が記述されており、例えばこんな一節もあります。

 あなたは家畜のために草をはえさせ、
 また人のためにその栽培する植物を与えて、
 地から食物を出させられる。
 すなわち人の心を喜ばすぶどう酒、
 その顔をつややかにする油、
 人の心を強くするパンなどである。
(詩篇104:14〜15)

 オリーブ油に含まれるオレイン酸は皮膚と非常に近い組成を持つことから、皮膚を柔らかくする効果があり、角質層の乾燥を防ぎます。聖書の舞台となったイスラエルは乾燥した気候であるため、油を塗ることで肌を保湿し、つややかさを保ったものと考えられています。

 またオリーブ油には抗菌作用もあります。ニキビに悩んでいたころ、ある人から「オリーブ油を塗ると治るよ」と教わりやってみたところ、大きなニキビが一晩で小さくなり、ポロリと取れたということがありました。
 こうした効用も古くから知られ、聖書の中の「善きサマリヤ人のたとえ」として有名なエピソードでは、盗賊に襲われて傷を負った旅人を、通りがかりのサマリヤ人が「…その傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで包帯をしてやり、…」と、傷の手当てにオリーブ油を用いる様子が描かれています。  このようなオリーブ油の効力は現代にも生かされています。化粧品としてはもちろん、ドラッグストアでは第3類医薬品としてオリーブ油が販売されており、皮膚の保護や日焼け炎症の防止、やけど、かぶれに用いられています。



 もくせい舎では100%オリーブ油の石けん「釜炊きオリーブ石けん」を新たにラインナップに加えてお届けします。数千年の歴史を人類ともに歩んできたオリーブ油。その恵みが凝縮された逸品です。

(文責・河野)

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